子どもの歯並びについて、「いつから矯正を始めたらいいのか」「マイオブレースや床矯正など治療法の違いがよくわからない」という悩みを持つ保護者の方は多くいます。
近年は、歯並びそのものだけでなく、口呼吸や舌のクセ、噛み方など“機能面”からアプローチする小児矯正が注目されており、その代表例の一つがマイオブレース矯正です。
この記事では、小児矯正治療に関する開始時期の考え方から代表的な治療法、費用の目安、マイオブレースの特徴までわかりやすく解説します。
目次
子どもの矯正は「いつから」始めるべき?

子どもの矯正治療は、大きく「第一期矯正(小児矯正)」と「第二期矯正(成人矯正)」に分けられます。第一期矯正は、永久歯が生えそろう前の成長期に、あごの成長をコントロールしたり、悪い習慣を改善したりすることが目的です。当院が取り入れているマイオブレース矯正では二期矯正不要の治療法になります。
一般的には、
– 前歯と6歳臼歯が生えそろう小学校低学年ごろ
– 歯並びのガタつきや受け口・出っ歯が目立ち始めた時期
– 口呼吸・いびき・指しゃぶりなどの習慣が気になる場合
に、一度小児矯正の相談を受けておくと安心です。早く始めれば始めるほど良いというわけではなく、「成長エネルギーを適切に利用できるタイミング」が重要になるため、自己判断せず専門家に確認することが大切です。
北参道エリアで選ばれている小児矯正の考え方
北参道周辺は共働き世帯も多く、小児矯正において「通いやすさ」「子どもが嫌がらず続けられるか」「将来の負担を減らせるか」といった点が重視されます。
単に歯を並べるだけでなく、口呼吸や姿勢、舌の位置などの口腔機能も意識した矯正法を取り入れることで、見た目だけでなく“機能面の改善”をめざす医院も増えています。
マイオブレース治療で目指すゴール
マイオブレース治療では、次のようなゴールを目指します。
– 永久歯が並びやすいあごの大きさ・位置関係を整える(咬合誘導)
– 口呼吸・舌のクセ・指しゃぶりなど、歯並びを悪くする習慣の改善
– 上下の前歯の噛み合わせ・受け口・開咬などをできるだけ早期にコントロール
これにより、抜歯の回避や治療期間の短縮、装置のシンプル化が期待できることがあります。
小児矯正の主な治療法:マイオブレースと床矯正

小児矯正にはさまざまな装置がありますが、代表的なものとして「マイオブレース矯正」と「床矯正」が挙げられます。それぞれの特徴を理解することで、お子さまに合った方法を選びやすくなります。
マイオブレース矯正とは?
マイオブレース矯正は、柔らかい素材のマウスピース型の装置を使い、「歯並びを悪くしている根本原因」にアプローチする治療法です。主に次のようなポイントを重視します。
– 口呼吸から鼻呼吸への切り替え
– 正しい舌の位置(上あごに舌をつける)
– 唇を閉じる力・頬や舌の筋肉バランス
– 正しい飲み込み方(嚥下)
装置は主に就寝時と日中の一定時間装着しますが、同時に「トレーニング(マイオブレースアクティビティ)」と呼ばれる簡単な筋機能訓練を行うことで、口腔周囲の筋肉や呼吸の習慣を改善していきます。
単に歯を動かすのではなく、“悪い歯並びを作っている生活習慣”に働きかけるのが大きな特徴です。
床矯正(しょうきょうせい)の特徴と役割
床矯正は、プラスチックのプレートとスクリュー(ネジ)がついた取り外し式の装置で、主にあごを横に広げたり、前歯が並ぶスペースを確保したりするために用いられます。
スクリューを少しずつ回しながら装置を拡大していくことで、歯列の幅をコントロールする仕組みです。
– メリット
– 取り外せるため、食事・歯磨きがしやすい
– 抜歯せずにスペースを作れることがある
– 注意点
– 決められた時間装着しないと効果が出にくい
– 重度の不正咬合や骨格性のズレには限界がある
マイオブレースが「機能面や習慣」に重点を置くのに対し、床矯正は「あごの幅や歯列の形」を物理的に整えるイメージに近い治療法です。
マイオブレース矯正と床矯正の違い・選び方
マイオブレース矯正と床矯正は、どちらが優れているというよりも、「目的とお子さまの状態によって使い分ける」イメージが適切です。ここでは違いと、選ぶ際のポイントを整理します。
治療の主なターゲットの違い
– マイオブレース矯正
– 口呼吸・舌の位置・飲み込み方など、機能や習慣へのアプローチ
– 歯並びだけでなく“顔つき・姿勢・全身の成長”にも良い影響を期待するコンセプト
– 床矯正
– 歯列の幅や上下の位置関係など、あごの骨・歯列の形のコントロール
– スペース不足の解消や、軽〜中等度の不正咬合に利用されることが多い
– 二期治療(成人矯正)を行う前提で進める治療
実際の臨床では、マイオブレース単独・床矯正単独よりも、口腔機能のトレーニングと拡大装置を組み合わせたり、将来の本格矯正を見据えたトータルプランとして位置づけたりすることもあります。
どちらが向いているかの目安
– マイオブレース矯正が向きやすいケース
– 口呼吸・いびき・口が開きっぱなし
– 舌を前に出すクセ(舌突出癖)や指しゃぶりがなかなかやめられない
– 歯並びの乱れが軽度〜中等度で、成長期の子ども
– 床矯正が向きやすいケース
– 歯の生えるスペースが明らかに足りない
– 歯が内側に倒れ込んでいる・歯列の幅が狭い
– 装着時間やネジ回しなどを親子で管理できる
とはいえ、最終的な判断には専門的な診断が必要です。「専門家に確認が必要」な領域であるため、レントゲンや模型・口腔内写真を用いた説明を受けながら、お子さまに合った方法を選んでいくことが大切です。
小児矯正の費用と通院イメージ
小児矯正(第一期矯正)の費用は、装置の種類や治療期間、通院頻度、医院の方針によって大きく変わります。ここでは費用を考える際の一般的なポイントをまとめます。
費用の考え方とチェックポイント
– 第一期矯正(小児矯正)の基本料金
マイオブレース矯正や床矯正を含めた「小児矯正一式」として、一定の総額が設定されていることが多いです。
– 調整料・トレーニング料
毎回の通院時に、装置のチェックやトレーニング指導に対して調整料がかかる場合があります。
– 第二期矯正への移行費用
将来、本格矯正が必要になった場合に、第一期矯正を受けていたことで割引や差額調整があるかどうかも確認したいポイントです。
費用を見るときは、「第一期矯正だけで完結するのか」「第二期矯正まで見据えているのか」を含めて、長期的な見通しを一緒に確認しておくと安心です。
通院頻度と治療期間の目安
– 通院頻度:1〜2か月に1回程度が一般的
– 治療期間:1〜3年程度(成長状況や治療ゴールによって変動)
マイオブレース矯正の場合は、装置のチェックに加えてトレーニングの確認も行うため、定期的な来院が重要です。
「通院しやすい立地か」「学校や部活、習い事のスケジュールと両立できるか」も、長く続けるうえで大切な要素になります。
まとめ

子どもの矯正治療は、「北参道 小児矯正」「子ども 歯並び 矯正」「小児矯正 費用」「子ども 矯正 いつから」といった不安や疑問が多く、情報もさまざまです。
従来の床矯正などの装置に加えて、近年注目されているマイオブレース矯正は、歯並びの乱れだけでなく、口呼吸や舌の位置・悪い習慣といった“根本原因”にアプローチできる点が特徴です。
一方で、すべてのお子さまにマイオブレースだけが最適とは限らず、床矯正やワイヤー矯正との組み合わせ、将来の第二期矯正を見据えたトータル計画が必要になることもあります。
費用や期間も含め、「どのタイミングで何をどこまで行うのか」は、お子さまの成長段階や性格、ご家庭の希望によって変わります。
「うちの子はいつから矯正を始めた方がいいのか」「マイオブレースと床矯正、どちらが合っているのか分からない」という場合は、まずは小児矯正を扱う歯科医院で相談し、検査結果やシミュレーションを踏まえて専門家に確認してもらうのがおすすめです。
早期から正しい情報に触れ、無理のない計画を立てることで、お子さまの将来の歯並びと健康な成長をしっかりサポートしていきましょう。